独立開業を決意した瞬間
税理士として12年間勤務した後、独立開業を決意しました。「いつかは独立したい」という思いはずっとあったのですが、なかなか踏み出せなかった。背中を押したのは、顧問先の社長から「独立したら全部任せるよ」という言葉でした。この一言が、漠然とした「いつか」を「今」に変えました。
独立前の準備:半年かけて行ったこと
- 税理士登録の完了(日本税理士会連合会への申請)
- 事務所スペースの確保(最初は自宅の一室を事務所として届け出)
- 顧問先候補の確保(前職でのネットワークから5件の引き継ぎ)
- 会計ソフトの選定(TKC、MFクラウドを比較検討)
- ホームページの開設(SEO対策ができる制作会社に依頼)
- 6ヶ月分の生活費の確保(月30万円×6ヶ月=180万円)
独立最初の1年:リアルな数字
収入の推移
月 | 顧問先数 | 月次収入 |
|---|---|---|
1〜3ヶ月目 | 5件 | 20万〜25万円 |
4〜6ヶ月目 | 8件 | 30万〜35万円 |
7〜9ヶ月目 | 12件 | 45万〜50万円 |
10〜12ヶ月目 | 18件 | 65万〜70万円 |
1年後の月収65万〜70万円は、前職の月収45万円(年収540万円÷12)を大幅に超えました。ただし国民健康保険・国民年金の負担増、事務所コスト等を考えると、純手取りでの比較は難しい部分があります。
独立最初の1年で苦労したこと
- 孤独:職場の同僚がいないため、相談できる人間がいない。業界のコミュニティへの参加が精神的な救いになった
- 集客の難しさ:最初の5件以外の集客は想定以上に大変。HPからの問い合わせは3ヶ月間ゼロだった
- 繁忙期の一人作業:申告期(3月)に一人で数十件をこなすのは体力的に限界に近かった
- 入金サイクルの管理:顧問料の回収・請求・未収管理を自分でやることへの慣れが必要だった
独立して良かったこと
- スケジュールの自由度:閑散期(4〜10月)は自分の裁量で仕事量をコントロールできる
- 収入の上限がない:顧問先を増やす・単価を上げることで収入が青天井
- 全ての決断が自分次第:顧問先を選ぶ、仕事を断るという自由が得られた
- 「税理士として」のアイデンティティが強まった:自分の名前で仕事をする緊張感と誇り
独立を考えている方へ:開業前の覚悟と準備
独立は「自由になること」ではなく「全責任を自分が負うこと」です。売上の不安定さ、孤独感、業務の全自己管理——これらを覚悟した上で、それでも独立が向いている人は「自分でビジネスを作る喜び」を仕事のモチベーションの源泉にできる人です。準備を万全に整えた上で、ぜひ独立への一歩を踏み出してください。
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