キャリアパス別ガイド

会計事務所スタッフのキャリアパス|資格なしでもできること

会計事務所で資格なしのスタッフとして働くキャリアパスを解説。無資格でもできる業務、年収の現実、ステップアップの選択肢を税理士法人勤務経験のある筆者が語ります。

「税理士資格がなくても会計事務所で働けるの?」——答えはYesです。実際、会計事務所で働く人の多くは、資格を持たないスタッフです。筆者が準大手税理士法人に勤務していたときも、資格のないスタッフが重要な戦力として活躍していました。

この記事では、資格なしの会計事務所スタッフがどのようなキャリアを歩めるのか、リアルな年収とともに解説します。

会計事務所スタッフの業務内容

資格がなくてもできる業務

税理士の「独占業務」(税務代理、税務書類の作成、税務相談)は税理士資格がないと行えません。ただし、実際の事務所運営では、税理士の指示・監督のもとでスタッフが行う業務が大半です。

業務

内容

資格の要否

記帳代行

クライアントの取引を会計ソフトに入力

不要

決算書の作成補助

税理士の指示のもとで決算書を作成

不要

給与計算

クライアント企業の給与計算処理

不要

年末調整の補助

資料の回収・入力・チェック

不要

確定申告の資料準備

必要書類の整理・入力

不要

クライアント対応

資料の受け渡し、簡単な質問対応

不要

税務相談・税務判断

クライアントへの税務アドバイス

必要(税理士の独占業務)

資格なしスタッフの年収の現実

経験年数

年収目安(中小事務所)

年収目安(中堅以上)

未経験〜1年

250〜300万円

300〜350万円

2〜3年

300〜350万円

350〜400万円

4〜6年

350〜400万円

400〜500万円

7〜10年

380〜450万円

450〜550万円

10年以上

400〜500万円

500〜650万円

正直に言うと、資格なしのスタッフの年収には天井があります。中小事務所では400〜450万円あたりで頭打ちになることが多く、中堅以上でも600万円を超えるのは難しい。年収を大きく上げたいなら、科目合格→税理士資格取得が最も確実なルートです。

資格なしスタッフのキャリアパス

パス1:科目合格を目指しながら働く

最も王道のキャリアパスです。会計事務所で働きながら税理士試験の勉強をし、科目合格のたびに評価が上がる。最終的に5科目合格すれば、年収も一気に上がります。

筆者の周りでも、スタッフとして入所してから3〜5年で税理士資格を取得し、年収が200〜300万円アップした人を何人も見ています。会計事務所は試験勉強に理解がある職場が多く、繁忙期以外は勉強時間を確保しやすい環境です。

パス2:事務所内でのキャリアアップ

資格がなくても、経験を積めばチームリーダーや事務局長のようなポジションに就ける事務所もあります。特に中堅以上の事務所では、業務のマネジメントや後輩指導を担う無資格スタッフが重宝されます。

パス3:事業会社の経理部門への転職

会計事務所で3〜5年の経験を積めば、事業会社の経理部門への転職が現実的になります。会計事務所での経験は「複数の企業の経理を同時に見てきた」という実績になるため、経理職の即戦力として評価されます。

事業会社に転職すると、年収は上がる傾向にあります。上場企業の経理であれば、資格なしでも500〜600万円程度は見込めます。

パス4:専門分野のエキスパート

給与計算や社会保険手続きに特化する、相続税申告の資料収集のプロになる、クラウド会計の導入支援を専門にする——特定分野のエキスパートとして価値を高めるキャリアパスもあります。

持っていると有利な資格(税理士以外)

資格

取得の難易度

メリット

日商簿記2級

★★☆☆☆

転職の必須条件。持っていないと書類選考で落ちることも

日商簿記1級

★★★★☆

年収交渉で有利。税理士試験の受験資格にもなる

FP(ファイナンシャルプランナー)

★★☆☆☆

相続関連の業務に活きる。顧客対応の幅が広がる

社会保険労務士

★★★★☆

給与計算・社保関連のダブルライセンスとして強力

MOS(Microsoft Office Specialist)

★☆☆☆☆

Excel操作の証明。実務で即役立つ

筆者が見てきた「伸びるスタッフ」の共通点

筆者が税理士法人に勤務していた時期、資格のないスタッフの中でも「明らかに伸びる人」には共通点がありました。

  • 自分で調べて自分で考える力がある → わからないことを全て税理士に聞くのではなく、まず自分で調査する姿勢。この「自走力」がある人は例外なく成長が速い
  • 税法の改正に自主的についていく → 「資格がないから税法は関係ない」と思わず、常にアップデートしている人
  • クライアントとの関係構築がうまい → 資格の有無に関わらず、経営者から信頼される人はいます
  • ITツールへの適応が速い → 会計業界はDX化が進んでいる。クラウド会計やチャットツールに抵抗がない人は重宝される

まとめ:資格なしでもキャリアは作れる。でも資格があればもっと広がる

会計事務所スタッフは資格なしでも十分に活躍できます。ただし、年収の天井は確実にある。もし年収アップやキャリアの広がりを求めるなら、税理士試験への挑戦を強くおすすめします。

まずは簿記2級の取得からスタートし、会計事務所で実務経験を積みながら科目合格を目指す。これが最も堅実で、最も確実にキャリアを広げるルートです。会計事務所での経験は、たとえ税理士にならなかったとしても、事業会社の経理や財務部門でも高く評価される、価値のあるキャリアです。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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