年収・待遇

税理士の年収は地域でどれくらい違う?|東京・大阪・名古屋・地方比較

税理士の年収を東京・大阪・名古屋・地方で比較。地域による年収差の実態と、リモートワーク時代の新しい働き方まで、東京4社経験の筆者が解説します。

税理士の年収は「どこで働くか」によって大きく変わります。同じ資格・同じ経験年数でも、東京と地方では100〜200万円の差がつくことは珍しくありません。

筆者は東京で4社(政府系金融機関→準大手税理士法人→大手コンサル→上場企業)を経験してきましたが、地方に転職した同期や、地方から東京に出てきた後輩の話も聞いてきました。この記事では、地域別の年収データと、それぞれの地域で働くメリット・デメリットを整理します。

地域別の税理士年収データ

地域

平均年収(勤務税理士)

初任給目安

10年目目安

東京との差

東京

700〜800万円

400〜500万円

700〜1,000万円

大阪

600〜700万円

350〜450万円

600〜850万円

▲100万円

名古屋

550〜650万円

350〜430万円

550〜800万円

▲100〜150万円

福岡

500〜600万円

300〜400万円

500〜750万円

▲150〜200万円

地方都市

450〜550万円

280〜380万円

450〜650万円

▲200万円以上

東京と地方都市では年間200万円以上の差が出ることもあります。ただし、この数字だけを見て「東京が圧倒的に有利」と判断するのは早計です。

東京の年収事情

東京が高い理由

  • Big4・準大手の本社が集中:高年収の法人が東京に偏在している
  • 上場企業の税務ポジション:東京に本社がある企業が圧倒的に多い
  • コンサルティングファーム:M&A・FA系のポジションは東京が中心
  • 人材獲得競争:法人が多い分、待遇で差別化する必要がある

筆者が経験した4社はすべて東京でしたが、準大手で5年在籍して年収700万円前後、30代前半で800万円に到達できたのは東京の市場環境あってこそだと思います。

東京のデメリット

項目

東京

地方

家賃(1LDK)

12〜18万円

5〜8万円

通勤時間

片道40〜60分

片道15〜30分

生活費(月額)

25〜35万円

15〜22万円

保育料(月額)

4〜8万円

2〜5万円

年収が200万円高くても、生活コストを差し引くと実質的な余裕は大きく変わらないこともあります。

大阪の年収事情

大阪は東京に次ぐ第2の市場です。Big4の大阪事務所や、関西圏に強い準大手法人(辻・本郷など)があるため、東京に近い待遇を得られるポジションも存在します。

大阪の法人タイプ

年収レンジ

特徴

Big4大阪事務所

500〜1,100万円

東京比で▲50〜100万円

関西系準大手

450〜750万円

地場の大手企業クライアント

中堅事務所

380〜600万円

相続特化で高年収の事務所あり

事業会社

500〜800万円

製造業本社が多い

大阪の強みは生活コストが東京より2〜3割低い点です。年収が100万円少なくても、家賃の差だけで年間60〜80万円浮くケースもあり、実質的な生活水準は大きく変わりません。

名古屋の年収事情

名古屋はトヨタを筆頭とする製造業が強いエリアです。税理士の年収は東京・大阪に比べると一段下がりますが、製造業の税務に強い事務所では好待遇が期待できます。

名古屋の特徴は事業会社の税務ポジションが狙い目であること。自動車関連企業のグループ会社も多く、上場企業の連結税効果や国際税務の需要があります。

地方都市の年収事情

地方都市(人口30〜80万人程度)では、年収450〜550万円がボリュームゾーンです。Big4や準大手の拠点がないエリアでは、中堅〜個人事務所が中心になります。

地方で年収を上げるポイント

戦略

年収への影響

実現しやすさ

相続税に特化する

+100〜200万円

地主・資産家の多いエリアで有効

地域の有力事務所に入る

+50〜100万円

地場の有力事務所は待遇が良いケースあり

独立開業する

変動(500〜2,000万円)

地方は競合が少ない分、有利

リモートで東京の仕事を受ける

+100〜200万円

コロナ後に増えているが限定的

地方の最大のメリットは競合が少ないこと。東京では税理士が飽和状態ですが、地方では「税理士が足りない」というエリアも存在します。独立を視野に入れるなら、地方の方が顧客を獲得しやすいケースがあります。

リモートワークが地域格差に与える影響

コロナ禍以降、税理士業界でもリモートワークが広がりました。これにより「地方に住みながら東京の法人で働く」という選択肢が生まれています。

リモートワークの導入状況

法人タイプ

リモートワーク導入率

フルリモートの可否

Big4

高い

一部可能(ただし出社日あり)

準大手

中程度

法人による

中堅・中小

低い

難しいケースが多い

上場企業

高い

ハイブリッドが主流

ただし現時点では、フルリモートで地方在住OKという求人はまだ限定的です。ハイブリッド勤務(週2〜3日出社)が主流であり、完全な地域フリーにはなっていません。今後の動向に注目です。

地域別の「実質年収」シミュレーション

年収の額面だけでなく、生活コストを差し引いた「実質年収」で比較してみましょう。

項目

東京(年収750万)

大阪(年収650万)

地方(年収500万)

額面年収

750万円

650万円

500万円

手取り(概算)

570万円

505万円

400万円

家賃(年間)

180万円

108万円

72万円

生活費差額(年間)

基準

▲36万円

▲72万円

実質可処分所得

390万円

397万円

328万円

東京(年収750万円)と大阪(年収650万円)の実質可処分所得はほぼ同じという結果になります。年収の額面に惑わされず、このような比較をしてみることをおすすめします。

まとめ:地域選びは「キャリア戦略」と「人生設計」で決める

年収を最大化したいなら東京が有利なのは間違いありません。とくにBig4やコンサルでキャリアを積みたいなら、東京は必須です。一方で、生活の豊かさやWLBを重視するなら、大阪や地方も十分に選択肢になります。

筆者は東京で4社を経験してきましたが、将来的に地方移住を考えている同僚も少なくありません。大切なのは「今の自分が何を優先するか」を明確にすることです。年収だけでなく、生活コスト・通勤時間・子育て環境なども含めて、自分にとって最適な地域を選んでください。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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