税理士試験の勉強を続けながら転職活動もする——忙しい税理士業界にいるからこそ、この「二刀流」に悩む方は多いはずです。私自身も科目合格を目指しながら転職を経験しましたし、同業者にも同じ状況の方を多く見てきました。
結論から言えば、試験と転職の両立は十分に可能です。ただし、タイミングと戦略が重要です。
税理士試験と転職活動の理想的なスケジュール
税理士試験は毎年8月に実施されます。このスケジュールを軸に、転職活動の最適なタイミングを考えます。
時期 | 試験対策 | 転職活動 |
|---|---|---|
1〜3月 | 基礎期(インプット中心) | 情報収集・エージェント登録のみ |
4〜5月 | 応用期(アウトプット中心) | 求人チェック程度に留める |
6〜7月 | 直前期(追い込み) | 完全に試験に集中。転職活動は停止 |
8月 | 本試験 | 試験終了後すぐに転職活動を再開 |
9〜11月 | 結果待ち | 転職活動のベストシーズン |
12月 | 合格発表 | 結果を踏まえて最終判断 |
最もおすすめなのは「8月の試験直後〜11月」のタイミングです。この時期は求人数も多く、試験勉強との時間的な競合もありません。合格発表前に内定をもらい、合格していたら更に有利な条件交渉ができます。
試験勉強と転職活動の時間配分
平日の可処分時間が3〜4時間と仮定した場合の配分例です。
直前期以外(1〜5月、9〜12月)
- 試験勉強:平日2〜3時間、休日5〜8時間
- 転職活動:週に合計2〜3時間(求人チェック、エージェントとの電話、書類準備)
直前期(6〜7月)
- 試験勉強:可処分時間のすべて
- 転職活動:完全停止(エージェントにも「8月以降に再開」と伝えておく)
業界経験者としてのアドバイスですが、直前期に転職活動を並行するのは絶対にやめてください。どちらも中途半端になり、試験に落ちて転職先も決まらないという最悪の結果になりかねません。
試験後の転職が有利な3つの理由
- 手応えを面接で伝えられる:「今年の試験で○科目を受験し、手応えを感じています」は面接官にポジティブな印象を与える
- 求人の充実期と重なる:8〜10月は事務所側も翌年の繁忙期に向けて採用を強化する時期
- 合格していた場合のアップサイド:12月の合格発表で合格科目が増えれば、入所前に条件が改善される可能性がある
勉強に理解のある事務所の見分け方
転職先が試験勉強に理解があるかどうかは、キャリアを左右する極めて重要なポイントです。以下の基準で見極めてください。
チェック項目 | 良いサイン | 危険サイン |
|---|---|---|
試験休暇制度 | 試験前1〜2週間の有給取得が制度化 | 「忙しさ次第で」と濁される |
合格者の在籍割合 | 科目合格者・5科目合格者が多数在籍 | 合格者がほとんどいない |
残業の実態 | 繁忙期以外は18時退社が基本 | 通年で20時以降まで残業 |
予備校通学への配慮 | 授業の日は定時退社OK | 「仕事が終わってから行って」 |
面接での反応 | 「応援します」と具体的な支援制度の説明 | 「勉強も大事だけど仕事が第一」 |
同業者の間では「試験に受からせてくれる事務所」と「試験を受けさせてくれない事務所」がはっきり分かれると言われています。面接で遠慮なく確認してください。
科目合格を重ねながらキャリアアップする戦略
- 2科目合格まで:まずは中小事務所で実務経験を積む。学習時間を確保できる環境を最優先
- 3科目合格:転職の大きなチャンス。中堅法人やBig4への転職で年収UPと科目合格の両立を目指す
- 4〜5科目合格:専門分野を決めてキャリアを深める時期。独立か勤務かの方向性も固めていく
まとめ
税理士試験と転職活動の両立は、タイミングを見極めれば十分に可能です。最も重要なのは「直前期は試験に集中」「試験後に集中的に転職活動」というメリハリをつけること。
科目合格段階での転職は珍しくありません。むしろ、科目合格を重ねるごとに転職市場での評価は着実に上がっていきます。まずは転職エージェントに相談し、今の科目合格数での市場価値を把握してみてください。転職エージェントの選び方については別記事で詳しく比較しています。
