税理士法人への転職を考えるとき、多くの方がまずBig4を思い浮かべます。しかし、税理士としてのキャリアを考えるなら、中堅・準大手の法人も必ず選択肢に入れるべきです。私自身、業界で多くの同業者と情報交換してきましたが、「Big4を辞めて中堅に移って正解だった」という声は実は少なくありません。
この記事では、税理士業界にいるからこそわかる各法人の実態を、できる限りリアルにお伝えします。
中堅・準大手の税理士法人とは?Big4との違い
中堅・準大手の税理士法人とは、一般的に従業員数200〜2,000名規模の法人を指します。Big4(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)に次ぐ規模感で、独自の強みを持つ法人群です。
Big4との最大の違いは、クライアント層の幅広さです。Big4が大企業・外資系中心であるのに対し、中堅法人は中堅企業から上場企業まで幅広い顧客を抱えており、税務申告から税務コンサルティングまで一人の担当者が一気通貫で関われる環境が多いです。
比較項目 | Big4 | 中堅・準大手 |
|---|---|---|
クライアント規模 | 大企業・外資系中心 | 中堅〜上場企業が中心 |
業務の幅 | 分業制(専門特化) | 一気通貫で関われる |
年収水準 | やや高め | Big4に近い水準の法人もあり |
WLB | 繁忙期はハード | 法人による(比較的良い傾向) |
独立への準備 | 大企業案件中心で活かしにくい | 中小企業対応力が身につく |
おすすめ中堅・準大手の税理士法人8選
1. 辻・本郷税理士法人
国内最大規模の独立系税理士法人です。従業員数は約1,800名以上。拠点数も全国80以上と圧倒的で、地方での転職を考えている方にも選択肢になります。相続税や事業承継に特に強みがあり、同業者の間でも「相続なら辻・本郷」という評価が定着しています。
2. 税理士法人山田&パートナーズ
山田コンサルティンググループの一員として、コンサルティング色の強い税務サービスを展開しています。事業承継・M&A税務に強く、資産税分野で高い専門性を持っています。税務だけでなくコンサル的な仕事もしたいという方に向いています。
3. 太陽グラントソントン税理士法人
グラントソントン・インターナショナルのメンバーファームとして、国際税務に強みを持っています。Big4に比べて規模はコンパクトですが、その分一人あたりの裁量が大きく、若手でも国際案件を担当できる機会があります。
4. BDO三優監査法人グループ(三優税理士法人)
BDOインターナショナルのメンバーファームです。監査法人グループとしての総合力があり、IPO支援や株式公開関連の税務に実績があります。ベンチャー企業の支援に興味がある方には魅力的な環境です。
5. RSM清和監査法人グループ(RSM汐留パートナーズ税理士法人)
RSMインターナショナルのメンバーファームとして、海外進出支援や国際税務に強みを持っています。比較的若い組織で、成長フェーズにある法人で力を試したいという方に向いています。
6. AGSグループ(AGS税理士法人)
税務・会計に加え、社労士法人・行政書士法人も擁する総合型のプロフェッショナルグループです。中堅企業の経営課題にワンストップで対応できる体制が特徴。税務以外の隣接領域にも視野を広げたい方におすすめです。
7. 税理士法人令和会計社
資産税・事業承継分野で成長を続けている法人です。相続・資産税に特化したキャリアを積みたい方には注目の選択肢。代表が相続税分野の書籍を多数出版しており、専門性の高い環境で学べます。
8. 税理士法人チェスター
相続税申告に完全特化した税理士法人で、相続税申告の実績は業界トップクラスです。「相続税特化の税理士」としてキャリアを積みたいなら、最有力候補の一つ。年間の申告件数が多いため、短期間で相続税の実務経験を積めます。
中堅・準大手を選ぶ判断基準
私の経験から、以下のような方には中堅・準大手をおすすめします。
- 幅広い業務を経験したい:Big4の分業制より、一気通貫で担当できる環境を求める方
- 将来の独立を見据えている:中小〜中堅企業の税務を学べるため、独立後に直結するスキルが身につく
- WLBを重視したい:法人によるが、Big4よりワークライフバランスが取りやすい傾向
- 地方で働きたい:辻・本郷やAGSは地方拠点が多く、地元で大規模法人に所属できる
年収水準の目安
役職 | 中堅・準大手の年収レンジ | Big4との比較 |
|---|---|---|
スタッフ | 400万〜550万円 | Big4より50万円程度低い傾向 |
シニア | 550万〜750万円 | ほぼ同水準の法人もあり |
マネージャー | 700万〜1,000万円 | Big4とほぼ同水準 |
パートナー | 1,200万円〜 | 法人の業績次第ではBig4以上も |
中堅法人の年収は「Big4より一段低い」と思われがちですが、マネージャー以上になると差は縮まります。むしろ業績連動型の報酬体系を取る法人では、Big4を上回るケースもあると聞きます。
まとめ
中堅・準大手の税理士法人は、Big4にはない魅力を数多く持っています。「Big4か中小事務所か」という二択で考えるのではなく、中堅法人という第三の選択肢を知ることが、キャリアの幅を広げる第一歩です。
各法人の詳しい求人情報や内部事情は、税理士業界に特化した転職エージェントに相談するのが最も効率的です。転職エージェントの選び方や比較については別記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
