「会計業界は未経験でも入れるのか?」——答えはYesです。ただし、年齢によって難易度は変わります。
筆者自身、政府系金融機関から税理士業界に未経験で飛び込んだ経験があります。金融の知識はあったものの、税務実務は完全にゼロからのスタートでした。その経験を踏まえ、未経験転職のリアルをお話しします。
年齢別の転職難易度
年齢 | 難易度 | 条件 |
|---|---|---|
20代前半 | 容易 | 簿記2級以上。科目合格があれば引く手あまた |
20代後半 | やや容易 | 1科目以上の合格が望ましい |
30代前半 | 可能 | 科目合格+前職の経験が活かせること |
30代後半 | やや難しい | 複数科目合格が必要。経験分野の親和性が重要 |
40代以降 | 限定的 | 3科目以上の合格か、特定分野の深い経験が必要 |
未経験で採用される人の共通点
1. 科目合格がある
1科目でも合格していれば、「本気で税理士を目指している」という証明になります。筆者が転職した際も、2科目合格が決め手でした。簿記2級だけだと「税理士になる気があるのか」が伝わりにくい。
2. 前職の経験に接点がある
金融機関出身なら財務分析、不動産業界なら資産税、IT業界ならクラウド会計——前職の経験が税務と接点があると、面接でのアピールポイントになります。
3. 年収ダウンを受け入れる覚悟がある
未経験の場合、最初の年収は下がることが多い。ただし、税理士業界は科目合格のたびに評価が上がり、転職で年収が上がる構造になっています。最初の1〜2年は投資期間と割り切る覚悟が必要です。
未経験者のための転職ステップ
Step 1:簿記2級を取得する
最低限の入場券。3〜6ヶ月で取得可能です。
Step 2:税理士試験の科目合格を作る
簿記論・財務諸表論から着手するのが王道。1科目でも合格すれば転職市場での評価が変わります。
Step 3:会計業界特化のエージェントに相談する
ここが重要です。一般的なエージェントだと、科目合格の価値を正しく評価してもらえないことがあります。「簿記論の合格=ただの一科目でしょ?」と軽視されるリスクがある。業界特化のエージェントなら、各科目の市場価値を理解した上で適切な求人を紹介してくれます。
Step 4:小〜中規模の事務所からスタート
未経験の場合、いきなりBig4に入るのは難しい。まずは中小規模の事務所で実務経験を積み、2〜3年後にステップアップ転職するのが現実的なルートです。
前職の経験が活きる分野
- 金融機関出身 → 財務分析、融資判断の知見が活きる。M&A税務や企業再生との相性が良い
- 不動産業界出身 → 資産税、相続税、不動産評価に強みを発揮
- IT業界出身 → クラウド会計、DX推進で差別化
- 営業職出身 → 顧客対応力は独立時に最大の武器に
筆者も金融機関での経験が税理士法人でプラスに評価されましたし、その後のコンサルティングファームへの転職にも活きました。前職の経験は「回り道」ではなく「武器」です。
