「税理士で年収1,000万円は超えられるのか?」——答えはYesです。ただし、全員が自動的に到達するわけではなく、戦略的なキャリア選択が必要です。
筆者自身は税務だけでなくM&Aや財務に領域を広げることで年収を引き上げてきましたが、税務の道を極めて1,000万円を超えている人も周囲に多くいます。ここでは、税理士が年収1,000万円を超えるための5つの代表的なルートを紹介します。
ルート1:Big4・大手税理士法人でマネージャーに昇進
最も王道のルート。Big4であればマネージャー昇進時に年収1,000万円を超えるのが一般的です。到達時期は入所から7〜10年が目安。
ただし、Big4のマネージャーは案件管理・チームマネジメント・クライアント対応と業務量が多く、それに見合う対価という側面もあります。
ルート2:準大手で管理職に就く
準大手税理士法人の管理職であれば1,200〜2,000万円のレンジです。Big4ほどのブランドはないものの、案件の質や裁量の大きさでは遜色ないケースも多い。
筆者の感覚では、準大手の管理職は「忙しいけれどBig4よりは人間的な生活ができる」という印象です。
ルート3:専門特化でスペシャリストになる
国際税務、移転価格、M&A税務、相続税——こうした高度な専門分野のスペシャリストは年収1,000万円に到達しやすい傾向があります。
専門分野 | 年収レンジ | 需要の見通し |
|---|---|---|
国際税務・移転価格 | 800〜1,500万円 | グローバル化で高需要 |
M&A税務(税務DD) | 800〜1,500万円 | M&A市場拡大中 |
相続税・事業承継 | 700〜1,200万円 | 高齢化で安定需要 |
組織再編税制 | 800〜1,300万円 | 大型案件で高単価 |
専門特化の良いところは、「代わりがいない」ポジションを確立できる点です。汎用的なスキルだけでは価格競争に巻き込まれますが、ニッチな専門性は差別化に直結します。
ルート4:事業会社で税務+αのポジションに就く
上場企業の税務マネージャーや、CFO直下のポジションであれば1,000万円超が狙えます。さらに、税務だけでなくM&Aや経営管理にも守備範囲を広げると市場価値は飛躍的に上がります。
筆者のキャリアがまさにこのパターンで、税理士資格をベースにコンサルや事業会社でM&A・財務にも関わることで年収を引き上げてきました。税理士は「数字が読める」という武器があるので、周辺領域への展開がしやすいのです。
ルート5:独立開業
独立は最もリスクが高い反面、成功すれば年収の上限がなくなります。開業2〜3年目で1,000万円を超える人もいれば、なかなか顧客がつかず苦戦する人もいます。
独立で成功している人を見ると、共通しているのは「勤務時代から顧客基盤やネットワークを意識的に構築していた」という点。独立を決めてから動き始めるのでは遅い、というのが正直な印象です。
どのルートが自分に合っているか
- 組織で安定的に稼ぎたい → ルート1・2
- 技術を極めたい → ルート3
- 税務以外にも広げたい → ルート4
- 自分の力で勝負したい → ルート5
どのルートでも共通して必要なのは、「意図的にキャリアを選択する」こと。なんとなく同じ事務所で年を重ねても1,000万円には届きません。自分がどの道で行くかを早めに決めて、それに向けた経験を積んでいくことが重要です。
