同じ税理士資格を持っていても、年収は事務所の規模によって200万〜300万円以上の差がつくことがあります。この記事では、Big4から個人事務所まで規模別の年収レンジと、それぞれの特徴を比較します。
事務所規模別の年収比較
規模 | 初年度 | 5年目 | 10年目 | 管理職 |
|---|---|---|---|---|
Big4 | 500〜600万 | 700〜900万 | 1,000〜1,500万 | 1,500万〜 |
準大手(50〜300名) | 400〜550万 | 600〜750万 | 800〜1,200万 | 1,200〜2,000万 |
中堅(10〜50名) | 350〜450万 | 500〜650万 | 600〜900万 | 800〜1,200万 |
個人事務所(〜10名) | 300〜400万 | 400〜550万 | 500〜700万 | — |
筆者は準大手税理士法人を経験していますが、肌感覚として5年いれば700万円前後というのは概ね合っています。中堅以上の事務所なら30歳で800万円も全然あり得ます。
Big4税理士法人の年収事情
Big4(PwC・Deloitte・EY・KPMG)は初年度から500万円以上、マネージャーで1,000万円超、シニアマネージャーで1,200〜1,500万円が目安です。パートナーになればさらに跳ね上がります。
ただし、年収が高い分、業務量も多い。上場企業クライアントを多く抱えているため、四半期決算のたびに短納期の対応が求められます。筆者が税理士法人時代に経験した例では、金曜夜11時にクライアントから資料が届き、月曜午前が期限ということもありました。
高年収の裏にはそれなりの負荷があることは理解しておくべきです。
準大手税理士法人の年収事情
準大手はBig4と比べて年収は若干低いものの、コストパフォーマンスでは最も優れていると筆者は考えています。
- 5年で年収700万円前後が見込める
- Big4ほどの激務ではないケースが多い
- 専門分野を深められる環境がある
- 管理職まで昇進すれば1,200〜2,000万円のレンジ
「Big4に入ることだけがキャリアの正解ではない」というのは、業界にいると強く感じます。準大手で着実にスキルを積み、管理職を目指すのも十分に合理的な選択です。
中堅事務所の年収事情
従業員10〜50名規模の中堅事務所は、個人差が最も大きい層です。相続や国際税務など高単価分野を扱っている事務所は準大手並みの年収を出す一方、記帳代行中心の事務所は個人事務所と大差ないこともあります。
中堅事務所を選ぶ場合は、「何の業務を中心に行っている事務所なのか」を必ず確認してください。
個人事務所の年収事情
個人事務所は年収400〜600万円がボリュームゾーン。所長の方針と顧客次第で上限が決まります。事務所自体がいい顧客を持っていなければ、出せる報酬にも限界があるというのが現実です。
ただし、個人事務所には「所長との距離が近く、早い段階で顧客対応を任せてもらえる」というメリットもあります。独立を見据えた修行期間と割り切るなら、合理的な選択肢です。
事業会社という選択肢
筆者は現在上場企業に在籍していますが、事業会社の税務ポジションは600〜900万円が相場です。上場企業は税理士資格を正当に評価してくれる傾向があり、安く買い叩かれるということはあまりありません。
何より、税理士法人と比べて残業が少ないケースが多い。時給換算すると実は事業会社の方がお得、ということも珍しくありません。
結局、どの規模の事務所を選ぶべき?
- 年収最大化を目指すなら → Big4 or 準大手で管理職を目指す
- WLBと年収のバランス → 準大手 or 事業会社
- 独立を視野に → 中堅〜個人事務所で顧客対応スキルを磨く
- 専門分野を深めたい → 特化型の事務所(規模問わず)
最終的には「何を重視するか」次第ですが、年収だけで選ぶと失敗するのもまた事実。働き方・成長環境・将来のキャリアも含めて総合的に判断してください。
